< 第2問 > の解答: 正五角形の作図方法
Google, Yahooなどで、「正五角形
書き方」、あるいは「正五角形 作図」などと検索すると、正五角形に関しては数多くのサイトでその作図方法が紹介されています。
以下にそのサイト例を示しますので、まずは具体的作図方法をいくつか眺めてみてください。
例: http://www.geocities.jp/two_well/penta.kakikata.html
http://mathmuse.sci.ibaraki.ac.jp/hisashi/seigokakukei.htm
実際、ホームページで紹介されている方法で作図すれば確かに正五角形を書くことはできるわけですが、では「なぜそのように作図すると正五角形になるか?」、すなわち作図の原理を解説しているサイトが少ないようですので、このホームページでは作図原理を中心に解説してみたいと思います。
結論から申し上げますと、作図原理は、正五角形においては一辺の長さと対角線の長さとの比率が以下のような黄金比(1:フィボナッチ数)となることを利用しています。
黄金比 = 1: または 1: 1.61803・・・・、 ここではフィボナッチ数
黄金比になるという証明は以下のとおりです。
上の図の正五角形において、
三角形ABC〈黄色+ピンク〉と三角形CDB(ピンク)は相似形となります。
(証明は省略します)。
また、三角形ABD(黄色)はAB=ADの二等辺三角形です。(これも証明は省略します)。
正五角形の1辺の長さを1、対角線の長さを
とすると、以下の式が成り立ちます。
辺AC : 辺BC = 辺AB : 辺CD
ここで、辺CD = ですので、
2次方程式の根の公式より
ここで、・・・・
余談ながら、縦横の長さが黄金比の長方形は人が見て最もバランスよく美しく見える長方形といわれ、身近には名刺の縦横比がこの比率で作られています。
以上のように、正五角形の1辺の長さと対角線の長さの比が黄金比であることがわかりました。
すなわち、フィボナッチ数を作図できれば、正五角形を書くことができることになります。
以下の図のとおり、はピタゴラスの定理より、辺の長さの比が1:2 の長方形の対角線の長さとして得ることができます。
さらに、下図のように、対角線PRを短辺の長さSP分だけ延長して直線PTを引くと、
辺PQ : 直線PT = 1:
となり、黄金比を得ることができます。
すなわちPQを正五角形の一辺の長さ、PTをその対角線としてそれぞれ長さをコンパスで拾い、三角形をいくつか書き合わせれば正五角形の出来上がりとなります。
インターネット上で紹介される正五角形の書き方はたくさんありますが、そのほとんどが以上の原理の応用と考えられますので、興味のある方はいろいろ検索してみてください。